日米両国の経済力や国力全体の差が、開く一方になってしまった。30年間の日本の自滅的劣化で有れば当然なのだが、ここの問題を正しく理解して改善していかない限り、もう追いつくことは出来ないだろう。
むろん、この原因の根本が両国民の気質の違いが大きく影響しているのは間違い何のだが、そう言って防寒ばかりもしていられない。ここでは、官僚や公的機関の仕事のスピードについて見てみたい。日本ではお役所仕事と言われるほどに、役所や公的機関の仕事が遅い。批判すると実に様々な理由を並べ立てるのは、非常に早いのだが..。
アメリカで先月起きた銀行破綻の記事があった。経営破綻したシリコンバレーバンク(SVB)を調べた米連邦準備制度理事会(FRB)が検証結果の報告書を公表した。日銀が過去の金融機関破綻について一月も経たずに報告書を上げたことがあるだろうか?このスピードに加えてもう一つ、日本の官僚や公的機関が決してやらないことがある。それが、自分達の誤りを素直に認めることである。
アメリカが世界の覇権を握り続けていられる理由のひとつが、自分達が負けたときにすぐに損れを認めて原因を追及して対策を講じることにある。今回も、SVBの脆弱性を「完全には理解していなかった」と述べ、「十分に力強い措置をとれなかった」とFRBの失敗を認めたのである。この素直さが、改革の元になる。ひたすら責任逃れ、いいわけに終始する今の日本の組織や個人のあり方では、どうにもならないのだ。組織は時間稼ぎで仕事を遅くしているのだと言われかねない現状がある。このおおもとは、政治家達が、まともな社会よりも、自分の利権や当選に有利な社会を作り上げているからなのは言うまでもないのだが。
まず出来るところからやるべきだろう。誤りは素直に認めること。仕事のスピードをまともなものにすること。各個人の意識が変われば、社会も変えられる。
令和5年4月29日(土)