コスト低減する技術研究の推進を

 世の中にはまだまだ、コストさえ下がれば使えるという技術がたくさん眠っている。アメリカのエネルギーを一変させてしまったシェールガスも、昔は技術的にもコストの面からも、採掘不可能とされていました。そこに挑戦して、見事に成功したわけです。ひとつの技術開発が、巨大な国を石油輸入国から輸出国に変えてしまうのですから、恐ろしいことです。いっぽうで、日本はこの失われた30年で、いったいどれほど大きな技術開発や核心的な技術研究をしてきたでしょうか。技術大国の幻想すら遠い昔の話になりました。

 コスト削減=人件費削減しかやらなかった日本は、今その愚かな過ちで苦しんでいます。あらためて、何か物を製造したりサービスを提供する上で、コストを下げるために何をしたらいいのか、どんな技術開発が必要なのか、科学的に研究すべきでしょう。こういう分野の学問としての研究の話をほとんど聞きませんが、こういう分野にこそ補助を出してすすめるべきではないでしょうか。
 たとえば、3Dプリンターなどは良い例でしょう。はじめは、オモチャとしか見られていませんでしたが、その後もしばらくは材料やコストの問題が有りとされていました。しかし今では、3Dプリンタで作る方が安く出来る物が次々と出てきています。このように新しい技術開発によって、コストが大幅に下がることは、あらゆる分野において考えられます。ひとつの学問として確立しても良いのではないでしょうか。

 この考え方が広まることで、中小企業の生産性向上や、サービス業や第一次産業での仕事のやり方も変えられるはずです。

令和5年5月23日(火)

2023年05月23日|分類:科学, 経済