某政党の音頭で、ある地方議会の議員定数が削減された。作者も議員定数削減賛成派なのだが、素直には賛成していない。なぜなら、今の働かない議員の数を減らすこと自体は賛成でも、その内容と裏の思惑を考えてしまうからである。
単なる人気取りの政治パフォーマンスならまだましである。削減法案を通せたと言うことは、その時点での多数派勢力である。議員数が減れば、ますますその政党力が強まることになる。また組織力のある勢力以外に、新しく当選するのがむずかしくなる。つまり自分達の長期独裁制維持の政策の可能性も、充分にあると言うことなのだ。
もう一つは、定数を減らす最大の理由は議員がその役割を果たしていないからである。ならばそれをどのように改革したのか、その政策と一緒に行われなければ意味が無い。効率が悪い社員はいらないと次々に首にしておいて、人手不足だから外国人を入れろと言っている経営者と、同じ匂いを感じてしまうのだ。見栄えの良い美辞麗句だけで真の政策アイデアなどかけらもないのだ。
この国の政治改革で最も難しい課題が、この腐りきった立候補者たちなのである。金儲け目的、権力者志向はあたりまえ、犯罪者までもが次々と立候補して、しかも当選してしまう。まともな立候補者を出現させることは、そう簡単な事ではない。
真に日本の改革を目指して政治家になるなら、このぐらいの深読みは出来ないと困ると思う。国内は敵だらけ、海外はすべて敵。そんな今の日本が置かれた中で戦うのだから。
令和5年6月10日(土)