国産翻訳ソフトはガラパゴスそれとも新時代のソフト

 技術の進歩は追いかけきれないほどのスピードで進んでいます。IT分野ではネットアークやAIなど、めざましい発展の遂げてきました。その中で、長い間なかなか満足なものが得られなかったのが、自動翻訳の分野でしょう。しkし、これもAI技術の活用によって、ここ最近はめざましい進歩を遂げてきました。

 ホームページの翻訳も精度が高まり、便利さを実感できるようになりました。グーグル、マイクロソフト、アマゾンなどの巨大IT企業が自動翻訳ソフトを提供しており、その一部は無料で提供されています。言語が近いことも有り、米国と欧州を取り込んだ自動翻訳サービスが主役になっているようです。むろん、国内企業もAIの助けを借りることで、日本語特有の難しさを克服した自動翻訳が色々と出てきています。

 ただ、国産の自動翻訳ソフトで、少しだけ気がかりな点があります。ひとつは、より良い日本語翻訳をついきゅうするあまり、携帯電話同様に日本(ガラパゴス)化してしまわないかという事です。大手IT企業は、寄り多くの国の言語自動翻訳することに力を入れており、日本語のように少し特殊な部分には目をつぶるやり方を取っています。まずは、世界で独占的な地位を確保するというのは、アメリカの巨大IT企業の基本戦略で有り、IT市場における有効な手段です。それに対して日本の企業は、当然と言えば当然なのですが、より日本語らしい翻訳を追求しています。けっか、世界で闘う事がおろそかになっています。果たしてこのやり方で、勝てるのでしょうか?
 米国IT企業は、市場を独占してから、個々のローカライズ(地域化)にも力を注ぎます。この方法には見習うべき点もあるように感じます。

 もう一つ気になるのが、日本では情報通信研究機構(NICT)が開発した翻訳エンジンが広く使われているようですが、その基本的な考え方は、日本企業固有のニーズに対応すべく業界ごとにソフトをつくるというものです。この考え方は誤りではないのですが、ここで言われる高精度な翻訳とは単にデータベース構築の問題に思えるのです。それよりも、専門論文の翻訳、ビジネス上のやりとりの翻訳、一般旅行者の翻訳など、目的別にAI学習が成されることの方が重要な気がしているのです。

 まとめると、英語と他言語との翻訳など世界で多く使える翻訳ソフトと、より好ましい日本語翻訳可能なソフトの二系統の開発が必要なのであり、そのなかで専門や業種毎の用語は当然のこととして、むしろ使用される目的別に分かれたソフト群がいるのではないかと考えます。

 世界向けに、英語を中心に据えて考えるソフト
 日本語を中心に据えて考えるソフトは、使用目的ごとのソフト

 日本全体としての大きな戦略がないと、結局生き残れないのではないでしょうか。正直すでに国内は、いくつもの翻訳ソフトが乱立しています。一方で世界的に評価されるものは、残念ながらまだ無いようです。

 IT市場で世界から取り残された感のある日本です。せめてAIを活用したロボットや翻訳ソフトぐらい世界を席巻してもらいたいものです。


 おまけとして、実際の翻訳の比較を並べてみます。翻訳に使用した原文は、ホームページの中で常にアクセスが上位にくる「破壊と創造」の中の何行かです。我ながら、かなり文学的というか、日本語らしい言い回しだと思っています。元が日本語ですので、それを一度英語に翻訳し、それをそのまま和訳する形を取りました。それぞれ異なる部分があり、一長一短です。この一文での評価は酷でしょうから、評価は皆様にお任せします。

令和2年8月1日(土)

 

 先の見えない行き詰まりの中で、様々な問題を抱え込んでしまった現在の日本である。もはや、明治維新に相当する根本的な変革が必要だと、国民の多くが心の中では思い始めている。にもかかわらず、改革がなかなか進まないのはなぜであろうか。

 新しく家を建てるには、古い家を壊さなくてはならない。新しい服に着替えるには、着ている服を脱いで裸にならなくてはならない。当たり前の事である。文明、社会制度、体制、仕組み、組織においても、全く同じ事である。古きもの、既存のもの、不要なものを捨てて(破壊して)こそ、新しいものを構築(創造)することができるのだ。つまりここでいう破壊とは、創造のための「創造的破壊」である。

                   (日本改造私案「破壊と創造」より)

 

 

みらい翻訳:NICTエンジン搭載で評判が良いとされる国産ソフトです

Today, Japan is in a stalemate in which it cannot see the future, but has various problems. Many people have begun to think that fundamental changes equivalent to the Meiji Restoration are necessary. Why, then, has reform made little progress?

To build a new house, you must demolish the old one. To change into new clothes, you have to take off your clothes and go naked. This is a matter of course. The same is true of civilization, of social institutions, of systems, mechanisms, and organizations. Throw out the old, existing, and unnecessary things (in destruction) to build (creation) new things. In other words, destruction here means "creative destruction" for creation.


現在の日本は、先が見えない状況にありながら、様々な問題を抱えています。明治維新に匹敵する抜本的な改革が必要だと考える人が多くなってきた。では、なぜ改革が進まなかったのか。

新しい家を建てるには、古い家を取り壊さなければならない。新しい服に着替えるには、服を脱いで裸にならなければなりません。これは当然のことだ。同じことが、文明、社会制度、システム、メカニズム、組織にも当てはまる。古いもの、既存のもの、不要なもの(破壊されて)を捨てて、新しいものを作ります。つまり、ここでいう破壊とは、創造のための「創造的破壊」を意味する。
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**国産ソフトを批判したくないのですが、いくら意訳したからといって、(かっこ)書きを消してしまうのはどうでしょうか。こういう所に、文芸作品と学術論文の翻訳の大きな差があるのだと思います。

 

Deepl翻訳:ドイツのベンチャー企業のソフトで今評判なのだとか。

 Japan today is a country that has been caught up in a deadlock with no clear future and a host of problems. Many people in Japan are beginning to believe that Japan needs a fundamental reformation equivalent to the Meiji Restoration. But why is it that reform has been so slow?

 To build a new house, you have to tear down the old one. In order to change into new clothes, you have to take off your clothes and strip naked. It is obvious. It is exactly the same in civilizations, social institutions, systems, structures and organizations. It is only by throwing away (destroying) the old, the existing and the unnecessary that we can build (create) the new. In other words, destruction here is "creative destruction" for the sake of creation.

Translated with www.DeepL.com/Translator (free version)

今の日本は、未来が見えず、多くの問題を抱えた行き詰まりに巻き込まれた国です。日本には明治維新に匹敵する抜本的な改革が必要だと多くの人が考え始めています。しかし、なぜ改革が遅々として進まないのだろうか。

 新しい家を建てるには、古い家を取り壊さなければならない。新しい服に着替えるためには、服を脱いで裸にならなければならない。当たり前のことです。文明、社会制度、システム、構造、組織においても全く同じです。古いもの、既存のもの、不要なものを捨てて(破壊して)こそ、新しいものを構築(創造)することができるのです。つまり、ここでいう破壊とは、創造のための「創造的破壊」である。

 

Google:これも(かっこ)内の言葉を言い換えていますね。

It is the present day Japan that has had various problems in an impassable dead end. Many people have begun to think in their hearts that a fundamental change equivalent to the Meiji Restoration is needed. Nevertheless, why is the reform not progressing easily?

 To build a new house, you have to destroy the old house. To change into new clothes, you must take off your clothes and get naked. That's a matter of course. The same applies to civilization, social systems, systems, structures, and organizations. Only by discarding (destroying) old things, existing things, and unnecessary things can new things be constructed (created). In other words, the destruction here is "creative destruction" for creation.

行き詰まりの行き止まりに様々な問題を抱えているのは、今日の日本です。 多くの人が、明治維新と同等の根本的な変革が必要だと心に思い始めています。 それなのになぜ改革が進まないのか。

新しい家を建てるには、古い家を破壊する必要があります。 新しい服に着替えるには、服を脱いで裸になる必要があります。 それは当然のことです。 文明、社会システム、システム、構造、組織にも同じことが言えます。 古いもの、既存のもの、そして不必要なものを廃棄(破壊)することによってのみ、新しいものを構築(作成)できます。 つまり、ここでの破壊は創造のための「創造的破壊」です。

 

Microsoft Bing:有料だとより良い翻訳なのかどうかわかりませんが、ブラウザが翻訳を聞いてくるのは便利です。

 It is the present Japan which has had various problems in the impasse which cannot be seen ahead. Many people are beginning to think in their minds that fundamental changes equivalent to the Meiji Restoration are needed. However, why is the reform not progressing easily?

To build a new house, you must destroy the old house. To change into a new dress, you have to take off the clothes you're wearing and get naked. It is a matter of course. It is exactly the same thing in civilization, social system, system, mechanism, organization. It is only by throwing away (destroying) old things, existings, and unnecessary things that can be built (created). In other words, destruction here is "creative destruction" for creation.

先に見ることができない行き詰まりの中で様々な問題を抱えていたのは、現在の日本です。明治維新に相当する根本的な変化が必要だと考える人が多い。しかし、なぜ改革は容易に進んでいないのでしょうか。

新しい家を建てるには、古い家を破壊しなければなりません。新しいドレスに着替えるためには、着ている服を脱いで裸にする必要があります。それは当然の問題です。それは文明、社会システム、システム、メカニズム、組織においてまったく同じことです。それは、古いもの、既存のもの、そして構築(創造)することができる不必要なものを捨てる(破壊する)ことによってのみ行われます。言い換えれば、ここでの破壊は創造のための"創造的破壊"です。


2020年08月01日